GARMINスマートウォッチ「Venu 2」 vs 「Venu 3」徹底比較

家電

Garminの人気スマートウォッチシリーズ「Venu」のVenu 2(2021年発売)とVenu 3(2023年発売)を、デザインから機能まで網羅的に比較します。スマートウォッチ選びで悩む読者の方に向けて、それぞれの違いと特徴、そしてどんなユーザーにおすすめかを分かりやすく解説します。

比較ポイント概要とスペック早見表

まずは主要スペックと機能の違いをまとめた比較表をご覧ください。Venu 2シリーズ(Venu 2および小型モデルVenu 2S)と、後継のVenu 3シリーズ(Venu 3および小型モデルVenu 3S)の差分が一目で分かります。

項目Venu 3 / 3SVenu 2 / 2S
サイズ(ケース径)45.0 mm / 41.0 mm45.4 mm / 40.4 mm
重量約47 g / 40 g約49 g / 38 g
画面サイズ1.4インチ / 1.2インチ(AMOLED)1.3インチ / 1.1インチ(AMOLED)
画面解像度454×454 / 390×390 ピクセル416×416 / 360×360 ピクセル
搭載センサー第5世代光学式心拍計、血中酸素(SpO2)、GPS(みちびき含むマルチGNSS)、気圧高度計、コンパス、加速度計、ジャイロ、温度計第4世代光学式心拍計、SpO2、GPS(単一GNSS)、気圧高度計、コンパス、加速度計、ジャイロ、温度計
ヘルスケア機能睡眠コーチお昼寝検出HRVステータス、Body Battery(アップデート版)、睡眠スコア、ストレス計測、健康スナップショット、フィットネス年齢睡眠スコア、ストレス計測、Body Battery、健康スナップショット、フィットネス年齢
スポーツ機能屋外/屋内含め30種類以上のスポーツ対応、トレーニング効果(有酸素/無酸素)表示、リカバリータイム表示、車椅子モード対応、筋トレ時の筋肉部位表示、VO2max評価 等約25~30種類のスポーツ対応(種目数は概ね同等)、筋トレの筋肉部位表示、VO2max評価 等 ※トレーニング効果・リカバリータイム・車椅子モードなし
スマート機能通知表示、音楽再生(約8GB保存)、Garmin Pay(Suica対応)、Bluetooth通話(マイク・スピーカー内蔵)音声アシスタント操作、事故検出SOS通知表示、音楽再生(約650曲保存可能)、Garmin Pay(Suica対応)、事故検出SOS ※通話・音声アシスタントはVenu 2 Plusのみ対応
バッテリー持続時間(公称)スマートウォッチモード:約14日 (Venu 3) / 約10日 (3S)、GPSモード:約26時間 (Venu 3) / 約21時間 (3S)スマートウォッチモード:約11日 (Venu 2) / 約10日 (2S)、GPSモード:約22時間 (Venu 2) / 約19時間 (2S)
公式税込価格 (発売時)60,800円(3/3S共通)54,800円(Venu 2)、52,800円(2S)※Venu 2 Plus:62,800円

※上記は発売時点の参考価格と仕様です。実際の市場価格は時期や販売店により変動します。では、各項目の詳細な違いを順に見ていきましょう。

デザインとサイズの違い

Venu 2とVenu 3は一見よく似た円形デザインですが、細部にいくつか違いがあります。まずサイズ展開です。Venu 3シリーズは45mm径(Venu 3)と41mm径(Venu 3S)の2サイズなのに対し、Venu 2シリーズも45.4mm径(Venu 2)と40.4mm径(Venu 2S)の2サイズでほぼ同等です。女性や手首の細い方向けの小型モデル(S)が両世代に用意されている点も共通しています。

ただし、Venu 3ではベゼル(画面周囲の枠)がさらに細くなり、同サイズでもディスプレイが大きく見やすく改良されています。実際、Venu 3(45mm)の画面は1.4インチと、Venu 2(45mm)の1.3インチより一回り大型化しました。厚みもVenu 3の方が12.0mmと薄く、重量も47gと軽量化されています(Venu 2は厚さ約12.2mm・重さ49g)。一方、小型モデルではVenu 3Sが約40gで、Venu 2Sの約38gよりわずかに重くなっています。

デザイン面では、どちらもステンレススチール製のベゼルと強化プラスチック製ボディを採用し、上品で耐久性のある仕上げです。防水性能も5ATM(水深50m相当)で水泳も可能な防水になっており共通しています。バンド幅は大サイズモデルが22mm、小サイズが18mmとこれも同じなので、交換バンド類の互換性もあります。

また、操作ボタンの数に違いがあります。Venu 2(および2S)は右側面に2つの物理ボタンでしたが、Venu 3では右側に3つのボタンが配置されています。これは途中で発売されたVenu 2 Plusの3ボタン仕様を受け継ぐ形で、真ん中のボタンがショートカットや音声アシスタント起動に使えるようになりました。日常的な装着感はどちらも良好ですが、素材や曲線デザインの工夫でVenu 3は若干フィット感が向上しています。

カラー展開はVenu 3シリーズの方が豊富です。Venu 3は2色(ブラック/スレート、ホワイト/シルバー等)、Venu 3Sは5色とバリエーションが多く、ファッションに合わせて選びやすくなっています。一方Venu 2は、標準モデル2色・小型モデル4色展開でした。デザイン面で大きな差はありませんが、「より大きな画面と洗練された最新モデルを着けたいか」「少しでも安価で実績あるモデルでも問題ないか」で選ぶと良いでしょう。

ディスプレイ仕様の比較

両モデルともAMOLED(有機EL)タッチディスプレイを採用しており、発色豊かで解像度も高く、通知や統計情報が非常に見やすいです。違いはサイズと解像度です。

  • Venu 3 (45mm):1.4インチ(直径約35.4mm)、解像度454×454ピクセル
  • Venu 2 (45mm):1.3インチ(直径約33.0mm)、解像度416×416ピクセル

小型モデルではVenu 3Sが1.2インチ・390×390、Venu 2Sが1.1インチ・360×360と、いずれもVenu 3世代で約0.1インチ大型化&高精細化しています。このおかげで、例えば時計表示やウィジェット画面はVenu 3の方が一段と見やすくなりました。実際「解像度が454ピクセルに高くなって視認性も向上した」ことが進化ポイントとして挙げられています。

画面表示の滑らかさも向上しています。Venu 2でも十分美麗でしたが、Venu 3では処理性能が上がったことでスクロールやアニメーションがより滑らかです。明るさ調整は環境光センサーによる自動調光機能を両者とも搭載しています。屋外の直射日光下でも良好な視認性ですが、特にVenu 3はベゼルが細い分、表示エリアが広がり情報が見やすいと感じられるでしょう。

なお、画面の常時表示モード(Always-On Display)にも両方対応しています。ただし常時表示をオンにした際のバッテリー消費はVenu 3の方が最適化が進み持続時間が長くなりました(後述)。傷に対しては両世代ともCorning Gorilla Glass 3で保護されており、日常使用での耐久性も十分です。

搭載センサーの違い

両モデルが搭載する基本センサー類はほぼ共通していますが、心拍センサーの世代が異なります。Venu 2シリーズはGarmin独自の第4世代Elevate光学式心拍計を搭載していました。それがVenu 3では最新の第5世代に進化し、Garmin史上最高精度と謳われる心拍トラッキングが可能になっています。第5世代ではグリーンLEDの数と配置が最適化され、激しい運動中でも検知エラーを減らし精度向上しているのが特徴です。

その他のセンサーは下記の通りです(共通):

  • 衛星測位用GNSS:GPS、GLONASS、Galileo対応(※みちびき補完信号対応)
  • 血中酸素センサー(Pulse Ox):手首からSpO2レベルを計測可能
  • 気圧高度計:気圧変化による高度・上昇階数の計測
  • コンパス:方位検知(電子コンパス)
  • 加速度計・ジャイロ:歩数や姿勢、運動の検出
  • 環境光センサー:周囲の明るさ検知(自動明るさ調整に使用)
  • 温度計:内蔵温度センサー(※正確な気温測定には外付けTempeセンサー推奨)

基本的にVenu 2でもVenu 3でも日常の健康モニタリングやGPSトラッキングに必要なセンサーは一通り揃っているので、大きな不足はありません。違いは心拍計精度くらいですが、スポーツ中の心拍追跡がより正確な方が良い人はVenu 3にメリットがあります。またVenu 3では複数衛星を同時利用する**「オールシステムGNSSモード」**が追加され、GPS精度向上や測位安定性が増しています(Venu 2はGPS+GLONASSなど組み合わせ設定は可能でしたが同時利用数に制限あり)。

さらにVenu 3は心電図(ECG)機能にも対応予定です。第5世代センサーには心電図アプリを動作させるハードウェアが含まれており、対応地域ではソフトウェアアップデートにより心電図記録が可能になる見込みです。(※日本国内版のECG対応状況は執筆時点では未定。Venu 2無印はECG非対応、Venu 2 Plusのみ対応)。このように将来的な健康計測機能の拡張性もVenu 3の魅力と言えます。

ヘルスケア機能の比較

Garminスマートウォッチの真骨頂である健康管理(ヘルスモニタリング)機能について、Venu 3ではソフト面が大きく強化されました。Venu 2に搭載されていた機能は一通り引き継ぎつつ、新たに追加・改善されたポイントを中心に比較します。

〈共通する主なヘルスケア機能〉

  • 睡眠スコアと睡眠モニタリング:毎晩の睡眠の質を0~100点で評価し、深い睡眠やREM睡眠の時間も記録。
  • ストレスモニタリング:心拍変動に基づき現在のストレスレベルを数値化(リラックス~高ストレス)。
  • Body Battery(ボディバッテリー):活動や休息から推定した体エネルギー残量を100点満点で表示。
  • 健康スナップショット:2分間じっと計測し、心拍数・HRV・血中酸素・呼吸数・ストレスの5項目を一括測定。レポートをアプリに保存可能。
  • フィットネス年齢:VO2max(最大酸素摂取量)や活動データから推定した体の年齢を表示(若返り目標設定も可)。
  • 呼吸数モニタリング:安静時や睡眠中の呼吸数(1分あたり呼吸数)を計測。
  • 生理周期・妊娠トラッキング:Garmin Connectで記録する女性のヘルスケア項目(※女性向け機能)。

以上はVenu 2でも備えていた機能で、Venu 3でも引き続き利用できます。それに加えて、Venu 3では以下の新機能が搭載されました。

  • 睡眠コーチ:従来の睡眠スコアに加えて、睡眠・ストレス・活動量・時差(旅行情報)などのデータを総合的に分析し、ユーザーごとに最適な睡眠アドバイスを提示します。「今夜は何時に寝て何時間眠るのが望ましいか」など具体的なコーチングをしてくれるため、睡眠改善に役立ちます。
  • お昼寝検出(パワーナップ追跡):日中の短い睡眠(ナップ)も自動検出して記録。昼寝も含めた総睡眠量を把握し、昼寝がBody Batteryに与える効果(エネルギー回復度合い)も評価します。さらに「理想的な昼寝のタイミングや長さ」をアドバイスしてくれる機能もあります。
  • HRVステータス(心拍変動ステータス):睡眠中の心拍変動(HRV)を計測し、自律神経のバランスや体の回復傾向を把握できます。長期的なHRVのトレンドから調子の変化を捉え、トレーニングの計画や疲労管理に活かせます。Garminの上位モデルに搭載されていた機能がVenuシリーズにも追加されました。
  • Body Batteryのアップデート:Venu 3のボディバッテリーはアルゴリズムの改良により精度が向上し、消耗や回復のペースがより個人に最適化されました。さらに「身体状態に合わせたアドバイス表示」が新たに加わり、自分のエネルギー残量に対して「休息すべきか活動できるか」などのヒントを得られます。

以上のように、Venu 3は睡眠・疲労に関する分析が飛躍的に充実しました。特に睡眠コーチとHRVステータスは、より上位のGarminウォッチ(例:Forerunnerやfēnixシリーズ)で好評だった機能で、日々のコンディション管理に有用です。逆に、「睡眠の詳細分析や昼寝トラッキングは不要」という場合はVenu 2でも基本的な睡眠スコアと他の健康機能で十分満足できるでしょう。

フィットネス・スポーツ機能の違い

次に、運動・スポーツ機能の比較です。もともとVenuシリーズは健康志向よりのラインですが、Venu 3ではスポーツトラッキング性能も強化されています。両モデルとも約25~30種類以上のアクティビティ種目に対応し、ランニング・サイクリング・水泳(プール)・ゴルフ・ヨガ・筋トレ・HIITなど幅広いスポーツモードを搭載しています。

共通する特徴として、GPS内蔵による屋外ワークアウトのルート記録、心拍ゾーン表示、ラップ計測、カロリー消費記録、そしてGarmin Connectでの詳細分析などが挙げられます。筋力トレーニングではどの筋肉部位を鍛えたかを図示する機能も両方で利用できます(自重トレやマシントレでも部位を自動推定)。

その上で、Venu 3のみで追加・強化されたスポーツ機能は以下の通りです。

  • トレーニング効果(Training Effect)の表示:運動後に、そのトレーニングがもたらした有酸素運動効果および無酸素運動効果をスコアで表示します。これにより、今回の運動が持久力向上に役立ったか、あるいは無酸素運動能力に効いたかが一目で分かります。Venu 2シリーズにはこの指標表示がなく、運動の効果を自分で推測するしかありませんでした。
  • リカバリータイム(回復時間)機能:ワークアウト終了直後に、「次の激しいトレーニングまであと何時間休息が必要」かを算出・表示します。例えば「48時間」などカウントダウンで示され、オーバートレーニングを避ける目安になります。Venu 2にはこの機能がなく、ユーザー自身で疲労度を判断する必要がありました。
  • 車椅子モード:Venu 3は車椅子ユーザー向けに車椅子プッシュ(Push)の回数で日々の活動量を記録するモードを搭載します。このモードでは歩数計がプッシュ回数に置き換わり、インターフェースも車椅子アイコンに変化するなど、車椅子ユーザーのフィットネスをサポートする設計です(Venuシリーズでは初搭載)。
  • インターバル機能の強化:インターバルトレーニングの設定が細かく可能になり、オープンリピート(回数未定の繰り返し計測)や休憩自動検出など上位モデルに近い機能が追加されました。これによりHIITやトラック走など反復運動の管理が楽になります。
  • 新スポーツプロフィール:対応スポーツ種目に、オープンウォータースイミング(海や湖での水泳)や室内クライミング、**高強度インターバル(HIIT)**などが新たに追加されました。Venu 2には無かった種目も増え、より多彩なアクティビティを記録できます。特にオープンウォータースイム対応はGPS精度向上と相まってトライアスリートにも嬉しい進化です。
  • パワーメーター・スマートトレーナー対応:Venu 3はANT+経由で自転車用パワーメーターやスマートバイクトレーナーと接続し、パワー値(ワット)記録やトレーナー制御も可能になりました。本格的なサイクリストが室内トレーニングする際にも活用できます。

こうした追加機能により、Venu 3は従来よりアスリート寄りのデータ分析が可能になっています。実際「Venu 3は結果分析が充実し、高度なGarmin FenixやEpixシリーズに近づいた」と評されます。一方でVenu 2も、ランニングやジム通い程度であれば必要十分な機能を備えており、GPS精度や心拍計も大きな不満はありません。実際のスポーツモード数自体は両者ほとんど変わらないため、「運動効果や回復まで含めて知りたいか」が選択のポイントになります。

趣味で軽く運動する程度であればVenu 2でも問題ありませんが、トレーニングの質を高めたい人や効率よくパフォーマンス向上を図りたい人にはVenu 3がおすすめです。例えばランニングでフォーム向上やマラソン完走を目指す方には、リカバリータイムやTraining EffectがあるVenu 3が役立つでしょう。逆にデータ分析は最低限で良いから安価に運動ログを残したい場合、値下がりしたVenu 2はコスパの良い選択肢です。

スマート機能の違い(通知・音楽・通話など)

スマートウォッチとしての機能もチェックしましょう。通知表示(スマホの着信やLINE・メール通知を手首で受け取る機能)は両モデル共通で、日本語表示にも対応しています。また音楽再生機能も両者にあり、SpotifyやAmazon Musicからプレイリスト同期、あるいはMP3ファイルを直接ウォッチ本体に転送してオフライン再生が可能です。内蔵ストレージ容量はどちらも約7~8GB程度で、音楽なら最大650曲ほど保存できます。ワイヤレスイヤホンとペアリングすれば、ランニング中にスマホなしで音楽を楽しめる点も共通です。

最も大きな違いは**「通話機能」と「音声アシスタント」への対応**です。

  • Venu 3:マイクとスピーカーを内蔵し、スマートフォンとBluetooth接続することで腕時計から通話の発信・応答が可能です。着信時にウォッチで応答すれば、そのまま内蔵スピーカーで相手の声を聞き、内蔵マイクで話すことができます(ハンズフリー通話)。またウォッチから発信操作も可能なので、ポケットからスマホを取り出せない時に便利です。さらにウォッチのボタン長押しでスマホの音声アシスタント(Siri/Google Assistant等)を起動し、音声コマンドでメッセージ返信やスマート家電の操作もできます。これらの機能は、前述のVenu 2 Plusで初めてGarminが搭載したものですが、Venu 3ではシリーズ標準機能になりました。
  • Venu 2:基本モデルのVenu 2および2Sにはマイク・スピーカーが無いため通話や音声アシスタント機能は搭載されていません。通知をミラーリング表示するだけで、通話の受け取りはスマホ側で行う必要があります。ただし例外的にVenu 2 Plusというモデルがあり、こちらは3つ目のボタンとマイク/スピーカーを備えて通話・音声アシスタント対応となっています。つまりVenu 3 = Venu 2 Plus相当の機能を標準搭載と考えると分かりやすいでしょう。

その他のスマート機能は両者ほぼ同じです。Garmin Payによる非接触決済に対応し、日本国内でもSuica機能をウォッチに登録して改札やコンビニ支払いをスマホ無しで行えます。天気予報やカレンダー予定の表示、スマホ音楽アプリのリモート操作、スマホ探索機能など、日常に便利な機能も一通り備えます。また、ウォッチ単体でアプリやウォッチフェイスを追加できるConnect IQストア(ウォッチ上またはスマホアプリ経由)も利用可能で、好きなデザインの文字盤に変えたり機能拡張ができます。

安全機能としては、事故検出と緊急連絡を両モデルともサポートします。活動中に転倒など強い衝撃を検知すると、自動的に事前設定した緊急連絡先へ現在地を含むSOSメッセージを送信するものです(スマホとBluetooth接続時)。万一の時にも安心感があります。

総じて、Venu 3はスマート機能がより充実し、腕時計から直接できることが増えています。特に通話対応は「移動中によく電話がかかってくる」「キッチンで手が離せない時に通話したい」といった人には便利です。逆にスマートウォッチには通知確認くらいしか求めないという場合は、Venu 2でも遜色ありません。

バッテリー持続時間の比較

バッテリー寿命はスマートウォッチ選びで重要なポイントですが、Venu 3は前モデル比で大幅に強化されています。Garmin製品はもともとバッテリー持ちに定評がありますが、新モデルではさらに最適化が進みました。

公式スペック上の**最大持続時間(バッテリライフ)**は以下の通りです:

  • Venu 3:スマートウォッチモード 約14日間、GPSモード 約26時間(音楽再生なし)
  • Venu 3S:スマートウォッチモード 約10日間、GPSモード 約21時間
  • Venu 2:スマートウォッチモード 約11日間、GPSモード 約22時間
  • Venu 2S:スマートウォッチモード 約10日間、GPSモード 約19時間

ご覧のように、Venu 3(45mmモデル)では公称14日という驚異的なスタミナを実現しています。実際のユーザー報告でも「Venu 2より明らかに電池が持つ」と評判です。特に常時表示(Always-On)を有効にした場合の差が大きく、Venu 2では2日程度で充電が必要だったのが、Venu 3では5日程度はもつようになりました。これは省電力化とバッテリー容量アップの両面から強化された結果です。

使用パターンによって持続時間は変動しますが、一般的な使い方(通知オン、睡眠計測、ワークアウトGPS計測を週何回か行う程度)でもVenu 3は1週間以上は余裕でしょう。Venu 2も決して短くはなく通常4~7日程度は持ちますが、新モデルはさらに充電ストレスが減っています。「バッテリーライフがもっとも進化したポイント」と言われるほどで、長期間の旅行や出張でも充電器いらずで過ごせるかもしれません。

充電は両方とも共通のGarmin専用ケーブルで行い、フル充電までの時間もほぼ同等(約2時間前後)です。急速充電機能は特にありませんが、もともとの電池持ちが良いので問題は少ないでしょう。

なお、GPS連続使用時間もVenu 3が伸びていますので、ウルトラマラソンやトレイルランニングなど長時間のGPSアクティビティでも安心感が増しました。例えば音楽再生しながらGPS使用時でもVenu 3は最大13時間持続し、Venu 2の約8時間から強化されています。日常利用からスポーツまで、総合的にバッテリー性能はVenu 3が優秀です。

対応アプリとカスタマイズ性

Garminウォッチは専用アプリ「Garmin Connect」と連携してデータ管理や設定を行いますが、この点はVenu 2もVenu 3も共通です。Garmin Connectアプリ(スマホ用)では日々の歩数や睡眠、心拍データの確認、ワークアウトのログ閲覧、友達とのチャレンジ機能などが使えます。またStravaやApple Health、Google Fitなど主要なフィットネスサービスとの連携も両モデル対応しています。運動データを自動でStravaに同期したり、体重計アプリと連携して統計を一元管理することも可能です。

ウォッチ自体のカスタマイズ性も両者ほぼ同じです。Connect IQストア(Garminのアプリプラットフォーム)からウォッチフェイス(文字盤デザイン)やデータ項目表示、サードパーティ製ウィジェットなどをダウンロードして機能追加ができます。例えば可愛いキャラクターの文字盤や、Uberの通知を表示するウィジェット、呼吸エクササイズ用タイマーなど色々追加できます。開発者コミュニティも活発なので、新モデルのVenu 3にも早速対応アプリが揃っています。

一点、Venu 3で新しく便利になった点として、ウォッチ本体からConnect IQストアを直接閲覧・インストールできる機能が挙げられます。Venu 2世代ではスマホのConnect IQアプリからしか追加できなかったものが、Venu 3ではウォッチ画面上でおすすめウォッチフェイスを探す…といったことも可能になりました。細かな違いではありますが、地味に使い勝手が向上しています。

ソフトウェアアップデートの提供期間も、発売時期が新しいVenu 3の方が今後長くサポートされる見込みです。Garminは定期的に機能アップデートを行うことで知られており、実際Venu 2も発売後に睡眠スコア機能追加など強化が図られました。Venu 3も今後のアップデートでさらなる機能拡張が期待できます。ガジェットは新しいほど長く最新版の恩恵を受けやすいため、ソフト面重視ならVenu 3に軍配が上がるでしょう。

価格とコストパフォーマンス

最後に価格面の比較です。Venu 3は最新モデルゆえ定価・実売価格ともに高めVenu 2は発売から時間が経ち値頃感が出ているという違いがあります。

  • Venu 3 (3/3S):公式価格は税込60,800円。実売では約55,000~60,000円前後で推移しています(2025年時点)。まだ値下がり幅は大きくありません。
  • Venu 2 (2/2S):定価は税込54,800円でしたが、現在の実売価格は約35,000~40,000円前後まで下がっています。型落ちとはいえ機能充実のためコスパ良好です。
  • Venu 2 Plus:定価62,800円。現在は流通数が少ないですが、約45,000~50,000円程度で販売されていることがあります。

単純な価格差は2~3万円程度と結構開きがあります。予算重視でできるだけ安くGarminの魅力を味わいたいならVenu 2は魅力的です。特に近年は後継モデル登場後にセールで安くなることも多く、通販サイトで値引きやアウトレット品を狙えば定価の半額近い値段で入手できる場合もあります。

一方でVenu 3は高価ですが、その分機能強化や改良点が多く、値段に見合った価値があります。バッテリーの持ちアップや睡眠コーチなど健康管理機能の充実、通話対応や高精細ディスプレイなど、日々の満足度向上につながるポイントが満載です。最新ガジェットを長く使いたい人にとっては投資するメリットがあるでしょう。

コストパフォーマンスを考えると、現在なら**「安定のVenu 2(値下がり済み)」** vs **「高機能なVenu 3(最新の便利機能込み)」**という構図です。予算に余裕があれば将来性も含めVenu 3を選ぶのがベターですが、機能より価格重視なら今なお優秀なVenu 2を検討する価値は十分です。迷った場合は次章のユーザー適性も参考にしてみてください。

どんなユーザーにどちらがおすすめ?

最後に、Venu 2とVenu 3それぞれが向いているユーザー像をまとめます。自分の利用スタイルに合ったモデルを選ぶ参考にしてください。

  • 高度な健康管理やトレーニング分析を求める方 ⇒ Venu 3が◎
    「最新の睡眠コーチやHRVステータスで体調をしっかり把握したい」「ワークアウトごとの効果や最適な休養期間を知りたい」といった健康意識・運動意欲の高いユーザーにはVenu 3が断然おすすめです。アスリートほど本格ではなくても、データを活用して効率良くフィットネスを向上させたい人にフィットします。特にランナーやジムトレーニーでトレーニング負荷の管理に興味がある方、睡眠改善に取り組みたい方にはVenu 3の新機能が役立つでしょう。また、スマートウォッチで通話や音声操作など最新ガジェット体験を楽しみたい人にもVenu 3は向いています。
  • まずは日常利用中心で必要十分な機能があればOKな方 ⇒ Venu 2で十分
    「とりあえず健康管理や運動記録を始めてみたい」「スマートウォッチ初心者だけどGarminに興味がある」という方には、価格がこなれているVenu 2が良い選択です。基本的なヘルスケア・通知機能はVenu 2でも網羅されており、睡眠スコアやBody Batteryで自分のコンディションを把握できます。普段は時計兼アクティブトラッカーとして使い、たまにランニングやヨガをする程度であればVenu 2でも不自由はありません。予算を抑えてGarminエコシステムを体験したい人や、最新機能より信頼性重視の人にはVenu 2は今なお魅力です。
  • スマートウォッチでの通話や音声アシスタント重視の方 ⇒ Venu 3(またはVenu 2 Plus)
    「腕時計からスマホのSiri/Googleを使って操作したい」「仕事中にスマートウォッチで電話に出たい」というニーズがある場合、基本のVenu 2では対応できません。この場合は最初からマイク付きのVenu 3が適しています(もしくは中古入手等でVenu 2 Plusを検討)。特にAndroidユーザーならVenu 3でテキストメッセージに音声返信することも可能なので、スマホを取り出す手間を減らしたい人に便利です。
  • とにかくバッテリー持ち最優先の方 ⇒ Venu 3が◎
    毎日充電するのは煩わしい、旅行時に充電器を持ち歩きたくない、といったバッテリー重視派にはVenu 3が適しています。公称14日間は現在のスマートウォッチ市場でもトップクラスで、長期間充電なしでも安心して使えます。Venu 2も1週間近く持ちますが、より「充電レス生活」を追求するなら最新モデルでしょう。
  • 価格重視でコスパを求める方 ⇒ Venu 2(在庫があるうちに)
    できるだけ安価にGarminのスマートウォッチが欲しい場合、発売から時間が経ったVenu 2シリーズはお買い得です。新品在庫が少なくなってきているモデルなので、入手するなら今がチャンスかもしれません。後継のVenu 3にあまり興味が惹かれないなら、セール時にVenu 2を手に入れてしまうのも“アリ”でしょう。

総合的に見ると、Venu 3は「よりアクティブでヘルスデータ活用志向のユーザー」向け、Venu 2は「ライトユーザーや価格重視ユーザー」向けと言えます。もちろんVenu 2も決してライトスペックではなく上位機種に迫る機能を備えていました。ただ、Venu 3で追加された数々の新要素は実際に使ってみると便利で手放せなくなるものも多いです。スマートウォッチに求めるものが何かを考えて、自分にピッタリのモデルを選んでください。

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